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環境技術評価研究所:トピックス JISK0102工場排水試験方法-全シアン分析方法の経緯 |
環境技術評価研究所 野々村 誠 作成 |
1964年 (昭和39年) 2月1日 |
1971年 (昭和46年) |
1981年 (昭和56年) |
1986年 (昭和61年) |
1993年 (平成5年) |
1998年 (平成10年) (確認) |
2008年 (平成20年) |
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全シアンの加熱蒸留操作 | りん酸 10mL 10%EDTA 10mL |
10%EDTA 10mL りん酸 10mL |
10%EDTA 10mL りん酸 10mL 10%アミド硫酸 1.5mL |
10%EDTA 10mL りん酸 10mL 10%アミド硫酸 1mL |
10%EDTA 10mL りん酸 10mL 10%アミド硫酸 1mL |
10%EDTA 10mL りん酸 10mL 10%アミド硫酸 1mL |
10%EDTA 10mL りん酸 10mL 10%アミド硫酸 1mL |
残留塩素の除去 | 亜硫酸ナトリウム溶液で還元 | 亜硫酸ナトリウム溶液で還元 | 塩化ヒドロキシルアンモニウム又は亜ひ酸ナトリウムで還元 | アスコルビン酸又は亜ひ酸ナトリウムで還元 | アスコルビン酸又は亜ひ酸ナトリウムで還元 | アスコルビン酸又は亜ひ酸ナトリウムで還元 | アスコルビン酸又は亜ひ酸ナトリウムで還元 |
還元剤の除去 | 炭酸鉛溶液を加えて硫化鉛として除去する。 | 酢酸亜鉛溶液を加えて硫化亜鉛として除去する。 | 酢酸亜鉛溶液を加えて硫化亜鉛として除去する。 | 酢酸亜鉛溶液を加えて硫化亜鉛として除去する。 | 酢酸亜鉛溶液を加えて硫化亜鉛として除去する。 | 酢酸亜鉛溶液を加えて硫化亜鉛として除去する。 | 酢酸亜鉛溶液を加えて硫化亜鉛として除去する。 |
分析方法 | 1)ピリジン-ピラゾン法 2)チオシアン酸第二水銀法 3)硝酸銀法 |
1)ピリジン-ピラゾン法 2)チオシアン酸第二水銀法 3)硝酸銀法 |
1)ピリジン-ピラゾン法 2)4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン法 3)イオン電極法 |
1)ピリジン-ピラゾン法 2)4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン法 3)イオン電極法 |
1)ピリジン-ピラゾン法 2)4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン法 3)イオン電極法 |
1)ピリジン-ピラゾン法 2)4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン法 3)イオン電極法 |
1)ピリジン-ピラゾン法 2)4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン法 3)イオン電極法 |
注、 備考 |
備考2:加熱蒸留操作(pH2.5以下)をしても、銅コバルトの錯化合物は一部しか分解しない。 備考3:加熱蒸留操作でシアン化物と錯化合物の分離定量法を記載。 |
注(134)重金属類を含まない排水の場合は、EDTA溶液の添加を省略してもよい。 | 中(134)が削除された。EDTAを添加して加熱蒸留することがきほんとなった。 | アミド硫酸アンモニウムは、亜硝酸イオンの妨害を除くためである。亜硝酸イオンの量に比例して添加量を増加する。 | アミド硫酸アンモニウムは、亜硝酸イオンの妨害を除くためである。特殊な試料では、亜硝酸イオン以外にもEDTAとの反応でシアンを生成し、アミド硫酸アンモニウムを添加してもその妨害を除けないものもある。また、EDTA以外にも類似の反応をする有機物もある。 | アミド硫酸アンモニウムは、亜硝酸イオンの妨害を除くためである。特殊な試料では、亜硝酸イオン以外にもEDTAとの反応でシアンを生成し、アミド硫酸アンモニウムを添加してもその妨害を除けないものもある。また、EDTA以外にも類似の反応をする有機物もある。 | アミド硫酸アンモニウムは、亜硝酸イオンの妨害を除くためである。特殊な試料では、亜硝酸イオン以外にもEDTAとの反応でシアンを生成し、アミド硫酸アンモニウムを添加してもその妨害を除けないものもある。 EDTAが関与すると考えられる場合は、EDTA溶液の添加を除いて1)~7)の操作を行う。また、EDTA以外にも類似の反応をする有機物もある。 |
野々村 コメント |
この当時のシアンの規制は遊離シアンで、2mg/Lであった。また、排水はめっき排水を対象にしており、重金属イオンをマスキングするためにEDTAを添加したものと考えられる。 | 46年以降、排水基準が全シアンとして1mg/Lになった。 | 全シアンの規制のため、前回の注(134)がなくなった。 | 亜硝酸イオンとEDTAが反応してHCNを生成することが明らかになったので、アミド硫酸アンモニウムを添加するように定められた。 | アミド硫酸アンモニウムを添加しても、HCNを生成する反応が明らかになった。 1)ペルオキソ二硫酸塩+塩化ヒドロキシルアミン+EDTAのと反応生成物 2)硝酸と鉄、亜鉛の還元生成物 そのため、この注が加えられた。 |
1993年版と同じ | 重油、軽油、石炭などの燃焼排ガス吸収液はアミド硫酸アンモニウムを添加してもEDTAと反応してHCNを生成することが明らかになった。 そこで、「添加したEDTAが関与すると考えられる場合は、EDTA溶液の添加を除いて1)~7)の操作を行う。」を追加した。 |